USD / MXNチャート — 米国ドルからメキシコペソのライブ レート
メキシコでは、2022年1月より同国史上初となる女性の中央銀行総裁が誕生しました。ビクトリア・ロドリゲス氏を次期中央銀行総裁として指名した際、メキシコペソ相場は一時混乱の様相を呈しました。ただ、その後の政策金利決定会合等の内容を見てみると、概ね既定路線を継続し金融引き締め下の難局ながら見事なかじ取りをみせています。
その総裁人事で大鉈を振るったロペスオブラドール大統領ですが、いったんは自ら任命していた人事を覆して無名の経済学者を総裁へと据えたことや、2022年3月に開催された政策金利決定会合で話し合われた内容をフライングして公表してしまうなど、中央銀行の独立性を疑わせる事案が散見されます。政府から中央銀行へ圧力を掛けるという行動は、先進国では禁じ手として認知されているため、総裁人事での強権発動やフライングでの発言などを振り返ると、その独立性に関しては不安要素であると言えるでしょう。ですが、トルコのエルドアン大統領のようなセオリーとは真逆の金融政策を強行するというスタンスではないため、懸念材料としてではなく大統領のスタンスとその動向をチェックしておくとよいでしょう。
メキシコペソ(ペソ)はメキシコの法定通貨です。国際コードはMXNです。ペソはスペイン語で「重さ」という意味です。メキシコペソの通貨単位はセントで、1ペソは100セントに相当します。ペソは18世紀半ばに誕生しました。1993年、メキシコ中央銀行は新しい通貨、「新ペソ」を導入しました。1996年以降、「新という言葉が消えて、ペソと呼ばれるようになりました。国際決済銀行の調査によると、2019年4月のメキシコペソの1日の平均外国為替取引高は1,140億米ドルで、そのうちスポット外国為替の1日の平均取引高は480億米ドルでした。メキシコペソの1日の平均外国為替取引高は、世界の1日の平均外国為替取引高の1.7%を占めており、世界第15 位にランクされています。
2006年から2008年前半にかけては1メキシコペソ=10~11円台で推移していたメキシコペソ / 円相場ですが、2008年9月のリーマンショック発生とともに、わずか3ヶ月で6円台まで急落。その後は6~7円台の持ち合い (ボックス圏) 相場が続きますが、2011年から2012年にかけて一段安となり、一時は5円台前半まで円高・メキシコペソ安が進みました。この間、リーマンショック後の世界経済の回復とともに原油高が進み、メキシコ経済も4~5%台の成長を実現していますが、ドル / 円の下落に歩調を合わせるような形でメキシコペソ / 円も下落しています。安倍政権下で金融緩和が始まった2013年以降はメキシコペソ高・円安にトレンドが転換。2014年後半には一時1メキシコペソ=9円近辺までメキシコペソ高が進行しました。しかし、その後2014年の原油価格の急落でメキシコペソは再び売られました。中国経済の鈍化懸念から世界的に株価が大幅に調整したことや、中国が人民元を事実上切り下げたことで新興国通貨全般に不安が高まったことも影響したようです。2016年に米国でトランプ政権が誕生するとメキシコに強硬政策をとったことでさらに5円台まで下落しました。
2020年3月には新型コロナウイルスの感染拡大を背景にした原油価格の下落や経済悪化懸念などが原因でメキシコペソは急落し、メキシコペソ / 円は4.2円と過去最安値を付けました。
その後原油価格の高騰、急速な利上げで上昇基調をたどりました。
メキシコ中央銀行は商品高やコロナ禍一巡による経済活動の正常化で高まったインフレ抑制のため2021年から利上げを行いましたが、2022 年はインフレ率が 7.9%と一時23年弱ぶりの高水準に達しました。
2023年5月、インフレ鈍化が確認され16会合ぶりに利上げを停止、政策金利を11.25%で据え置きました。7会合連続で据え置いた後、2024年3月に利下げを行いました。インフレはピークアウトしたものの目標を上回っていますが、景気の減速に配慮したとみられます。その後、中東の地政学リスクを巡って下落する場面があっても相対的に金利が大幅に高いメキシコペソは堅調地合いを続けました。流れが変わったのは6月2日の大統領・連邦議会選挙です。連邦議会選挙で与党連合が下院で改憲に必要な3分の2を超える議席を獲得したことで、ロペス=オブラドール現大統領が掲げるポピュリズム的な政策が実現するとの警戒感が強まり、メキシコペソは急落しました。シェインバウム次期大統領が司法制度改革を推進する意向を示していることも重荷です。
2024年6月現在、1メキシコペ=8.5円近辺で推移しています。
米国ドル /メキシコペソ のライブチャートをご覧ください。このインタラクティブ ..
先にも述べたとおり、を与えます。メキシコ自体の景況感の把握はもちろんですが、メキシコペソ/円相場の今後を見通すうえでは米国の経済指標をチェックしておく必要があります。少なくとも、雇用統計、消費者物価指数、GDPに関する発表は押さえておいた方がよいでしょう。
それに加え、連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board、通称FRB)や連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee、通称FOMC)による金融政策の発表からも目が離せません。メキシコの金融政策は、経済的な結びつきの強さや地政学的な要因などからで動く傾向があるため、金融引き締めサイクルの行方を推し測ることができそうです。足元では、米国のインフレ低下と経済の底堅いデータが確認されており、米経済・景気のも高まりをみせています。
メキシコの政策金利は11.25%(2023年8月現在)で、メキシコペソ/円のスワップポイントは魅力的です。またコロナショック以降の上昇トレンドを継続しており、およそ2014年ぶりの高値圏に到達しています。メキシコペソ/円はスプレッドコストが低いため、短期的な値動きを狙ったトレードも可能なオールラウンドな通貨ではありますが、ゼロ金利が当たり前になっている多くの国内投資家はスワップポイントを狙ったメキシコペソ/円投資をしています。こうした長期保有を想定してスワップポイントで収益を狙うことも重要な戦略です。長期保有を前提にトレードすることで資金管理もしやすくなり、短期的な値動きに右往左往しなくて済むことも利点の一つです。みんなのFXでは「スワップシミュレーション」を提供しており、1か月~35年の期間でスワップ収益を簡単に計算することができます。皆さんも一度、みんなのFXでメキシコペソの魅力に触れてみてはいかがでしょうか。
(2023年8月時点 トレイダーズ証券 市場部)
米ドル(英語: USD; ISO 4217 コード: USD)は、(米国)連邦準備制度理事会による通貨であり、預金義務としての米国の公式通貨です。米ドルは1792年に貨幣法が可決されたことにより誕生しました。米ドルは同時に、米国以外の国でも準備通貨として広く使用されています。現在の米ドルの発行は、米国連邦準備制度理事会によって管理されています。国際決済機構による2019年4月の調査によると、米ドルは世界の外国為替市場を支配しており、(米ドルを含む)世界の通貨ペア取引量の88%を占めています。