外国為替市況(日次)一覧 : 日本銀行 Bank of Japan


植田総裁は25日の経団連審議員会で講演を予定している。例年は通常それほど市場で注目されることはないが、コミュニケーション手法を巡って市場のストレスが高まる中、このイベントは日銀の考えをより明確に伝えるチャンスになるかもしれない。為替トレーダーは、総裁発言のトーンに調整の兆しが見られるかどうかを注視することになる。


植田総裁は先週19日の会見で来年1月利上げの可能性を否定せず、不確実性の全てが解消されるのを待つ必要はないと述べたが、国内の賃金動向や米国の政策の影響といった大局の見極めには時間を要するとしたことに市場は反応し、円は下落した。

ドル円レートは、ここにきて円安加速の様相を帯びている。日米金融政策の姿勢が微妙に変化したせいである。鍵を握るのは、トランプ次期大統領の政策だ。日本は円安が再び為替介入のラインに迫ったとき、機動的に介入実施ができるだろうか。おそらく、動きにくいのではないか。それを悟られると投機的円安が進んでしまう。

円相場 一時1ドル=157円台に 日銀 植田総裁の発言受け | NHK

植田総裁が11月下旬の日本経済新聞とのインタビューで利上げが「近づいている」と述べた際、12月か1月に利上げが迫っているという明確なシグナルが得られたと受け取めた市場参加者もいた。その後、日銀から発表された氷見野良三副総裁の1月の講演予定は、次回1月23、24日の会合へ向けた地ならしのように見えた。

再び円安が加速している(図表)。米国では、長期金利が4.5%台まで上昇している。トランプ次期大統領の政策が、2025年にインフレを促すとみられるので、それを見越してFRBも利下げがしにくくなると見通しを変更した。12月のFOMCでは、25年末までに2回分▲0.50%ポイントの利下げ(前回9月4回分▲1.00%)を示した。おそらく、半年ごとに1回ではなく、2025年前半の早い時期に2回の利下げになるだろう。だから、2025年後半は政策金利据え置きになって、金融政策の方針が転換される可能性がある。心配されるのは、FRBが今度はどこかで利上げに転じるのではないかという思惑が急浮上することだ。米長期金利は、上昇基調に転じることになる。つまり、為替レートもドル高・円安のトレンドに転じていく可能性がある。

日銀のメッセージに混乱させられたと投資家が言っていたように、この動きが世界的な市場混乱を招くきっかけとなった。

市場の混乱を招くことなく金融政策を正常化するという使命を負って2023年4月に総裁に就任した植田氏は、日銀に新たな視点をもたらした。黒田氏が進めた拡張的な金融政策を円滑かつ迅速に修正する手腕は当初、日銀ウオッチャーの期待を上回った。就任から丸1年が経過する前にはイールドカーブコントロール(YCC)を廃止。17年ぶりに政策金利の引き上げに成功し、マイナス金利に幕を閉じた。


円高、円安とは何ですか? : 日本銀行 Bank of Japan

日銀と通貨当局からの情報発信の流れは、黒田東彦前総裁時代に初めて見られたパターンと酷似する。日銀総裁からのハト派的な発言をきっかけに円安が進み、通貨当局がすぐさま警告を発するというものだ。このサイクルは、日銀が円安抑制につながる措置を講じるまで、政府が円を買い支えるという行動につながった。

5カ月ぶりに一時1ドル=157円台に 日銀利上げ見送り、円安進む

円が対ドルで7月以来の安値を更新する中、加藤勝信財務相は19日の会見で、最近の為替市場では一方的かつ急激な動きが見られると指摘。投機的な動きも含めて為替動向を「憂慮している」と急速な円安に警戒感を示した。その時点で円は12月初めから4.9%、9月中旬からは10.6%下落していた。

一段の円安なら日銀は大幅追加利上げも ―経験的に見て170円/ドルの円安で+0.5%の利上げ圧力― ..

日米の政策金利差を考えると、FRBは2025年前半に2回の利下げを行って、日銀が1回の利上げを行うと、金利差は3.25%ポイントまで縮まる。この日米金利差の縮小自体は、円高要因だ。しかし、その後の2025年後半以降は米金利が引き上げ方向に向かうと予想されれば、現在の金利差よりも、将来の金利差予想に反応して、ドル高円安へと向かう可能性がある

日銀為替市況 午後5時時点、157円35~37銭のドル高・円安

このため、低金利が続きそうな円を売って、金利の高止まりが続くドルを買う動きが加速。会合の結果が伝わると、1円ほども円安に振れた。三菱UFJ銀行の井野鉄兵氏は「市場はもう少し厳格に(国債買い入れ減額の)中身を決めてくることを期待していた。その意味で期待はずれだった」と話す。

円は対ドルで小幅安、実需の売りで157円台半ば-日銀慎重姿勢も重し

この日、が開いた決定会合で、国債の買い入れ額を現在の月6兆円程度から減らしていく方針を決めた。ただ、具体的な減額計画は次回の7月会合で決めるとし、それまでは買い入れ額を維持するとした。市場参加者の多くは今回の会合での減額を織り込んでおり、金融引き締めに消極的な「ハト派」と受け止められた。

午後3時のドルは157円前半へ小幅高、日銀総裁講演には反応限定的

「こうすれば、こうなることは事前にわかっていたはず」と思えるのが、日銀の金利据え置きだ。12月利上げを見送れば、円安が進んでいくことはわかっていた。さらに判断に慎重さを示したことで、今後も円安が進むだろう。

円安急進の可能性も ドル円に節目か 日米金融政策の見通しは?

みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは、円売りの余力は依然大きそうで、「3月まで円安が抑止された状態が続くのか」と疑問を呈した。その上で、1カ月以上先の次回会合で円が160円を超えていない保証はないと指摘。今後1カ月は従来以上に円安が利上げの主因に用いられやすくなり、「徐々に、しかし確実に金融政策の通貨政策化が進む状況と言わざるを得ない」と述べた。

12月19日、日本銀行は金融政策の現状維持を決め、一時1ドル157円台まで円安が進んだ。ただ、今後の政策金利の方向性は上向きである。

本年7月11・12日の為替介入では、1ドル161円で介入して157円まで円高方向に押し戻した。介入ラインが160円だとすると、現在の為替レートはその介入ラインに近づいている。日銀の金利据え置きは、きっと投機的な思惑を刺激して、円売り圧力を生じさせることだろう。おそらくドル円レートは、1ドル160円を試しに行くだろう

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、植田日銀総裁の発言を受けて、やや円安ドル高に振れ一時157円50銭台まで上昇した。

日銀は、19日の決定会合でを0.25%程度に据え置き、金融政策を維持した。総裁は、会合後の記者会見で、来年の春闘での賃上げの動向や、米国のトランプ次期大統領によるを見極める考えを示した。会見中に1円程度円安が進み、その後も円を売る動きが強まった。

円は対ドルで152円ちょうど前後に上昇、日銀政策への警戒くすぶる

為替レートの円安化を防ぐ手段には、為替介入もある。しかし、為替介入は伝家の宝刀で容易に使うことはできない。2025年1月20日以降は、トランプ政権に交代し、財務長官もベッセント氏になる。ドル売り・円買い介入は、米国側に容認されるだろうか。そこには、Noと言われるかもという不確実性がある。直感的に為替介入は、以前よりも実施しにくくなるとみられる。なお、2017~2021年の前回のトランプ政権の時期には、日本は為替介入を行っていない。

円安阻止へ日銀は動くか 162円目前 アメリカ大統領選も波乱要因に

また、為替介入に関する日本銀行の事務の詳細については、のページをご覧ください。

東京為替:ドル・円は下げ渋る、日銀植田総裁の発言が材料視される

為替介入の実施状況については、(外部サイトへのリンク)に掲載されている「外国為替平衡操作の実施状況」をご覧ください。

円は対ドルで157円台前半、日銀ハト派姿勢重し-薄商いで実需を注視

翻ってなぜ、日銀は為替介入が難しくなるような局面でわざわざ火中の栗を拾うように、円安容認的な金利据え置きをしたのであろうか。何度も繰り返すが、「こうすれば、こうなることは事前にわかっていたはず」だと思う。これが筆者が抱く日銀の謎である。