ドル円見通し 第一次トランプ政権における円高の教訓(24/12/25)
結果的に「トランプ・ラリー」は、トランプ政権1期目における最初で最後の米ドル高・円安となった。今回は、トランプ氏勝利後に米ドル/円は156円台まで上昇した。仮に、この156円で今回のトランプ氏勝利後の米ドル高・円安が終わりだったとして、後から振り返った時に、これがトランプ政権2期目における最初で最後の米ドル高・円安となるだろうか。
トランプ政権1期目では、なぜ「トランプ・ラリー」が「最後の米ドル高・円安」となったのか。主な理由は2つだと考えている。1つ目は、「トランプ・ラリー」の中で米ドル/円とともに急騰した米金利が、2017年1月から正式にトランプ政権がスタートすると間もなく低下に向かったことだ。
2016年11月の米大統領選挙でトランプ氏が勝利すると、米ドル/円はほんの1ヶ月で101円から118円まで急騰し、「トランプ・ラリー」と呼ばれた。ただ、ここで記録した米ドル/円の高値118円を、その後2017~2020年のトランプ政権で更新することはなかった(図表1参照)。
トランプ政権下、4年間のドル円相場とバイデン政権ではどうなる?
トランプ氏の選挙公約は、当時も金利上昇をもたらしやすいと見られた。そのようななかでも目玉の公約である大型減税は次年度予算で審議された。つまり、審議が2017年10月からだったので、その前に「トランプ・ラリー」で米金利が「上がり過ぎ」となった分の調整が入ったと考えられる。そして米金利が低下する中で、米ドル/円も一旦下落に向かった。
米金利は、2017年12月に米議会で「トランプ減税」が成立すると上昇が再燃し、「トランプ・ラリー」で記録した高値の更新に向かった。しかし、金利上昇を嫌気するように株価は急落となったことから、この金利上昇は「悪い金利上昇」と呼ばれた。その状況で米ドル/円は株価急落に追随するところとなった。これが米ドル/円が「トランプ・ラリー」の高値を超えられなかった2つ目の理由と考えられる。
「トランプ・トレード」でドルは上昇、トランプ政権下でのドル円下落の展開はあり得るのか
米ドル/円独自の要因からすると、今回は「トランプ・ラリー」以上に「最後の米ドル高・円安」になる可能性が高いのかもしれない。米ドル/円の5年MAかい離率は、「トランプ・ラリー」のピークでも13%程度だったのに対し、今回は20%にも達していた(図表2参照)。
2025 年に始動する第二次トランプ政権(トランプ 2.0)では、減税政策に加え、関
ドル円はトランプ氏優勢が報じられた9月終盤からドル高円安が進んだが、選挙戦直前になってハリス氏の巻き返しが報じられたことでいったん調整売りが入った。結局トランプ氏が圧勝したことで再びドル高円安となっている。トランプ氏は前回以上に対外強硬姿勢を強めており、高関税の実施などの可能性が強まる中で、ドル高円安がもう一段続く可能性が高い。
【為替】トランプ時代「最後の円安」の可能性 | 吉田恒の為替デイリー
20%を「上がり過ぎ」の目安とすると、「トランプ・ラリー」は、短期的には記録的な米ドル/円の急騰だったが、必ずしも「上がり過ぎ」ではなかったのに対し、今回はすでに「上がり過ぎ」になる懸念が強い。この観点からすると、今回の方がより「最初で最後の米ドル高・円安」になる可能性がありそうだ。
ドル安 ドル高・円安に/日銀利上げや介入、FRB利下げ ..
では、今回はどうか。米ドル/円の5年MAかい離率は足下でプラス2割以上に拡大している。2024年7月に161円まで米ドル高・円安となったところでは、5年MAかい離率はプラス3割程度に拡大した。要するに、足下において150円を大きく上回る米ドル高・円安は、トランプ政権1期目には経験しなかった「行き過ぎた米ドル高・円安」の懸念がある。
トランプ円安が突き進む ~1 ドル160 円を目指す展開~ | 熊野 英生
ドル円レートは、1ドル156円台までドル高が進んだ(図表1)。11月5日の選挙でトランプ氏が次期大統領に決まり、ここにきて上下院ともに共和党が過半数を占めることが確実になったからだ。下院でねじれがあれば、法案修正の圧力がかかるが、トリプルレッドが確実になったので、そうした圧力を受けずにトランプ政策が通りやすくなった。それは間接的に財政赤字要因になるので、米長期金利が上昇した。これはドル高要因だ。
円相場 1ドル=154円台まで円安進む “トランプ氏当選確実”で | NHK
筆者は、1月のトランプ就任前後にさらに米長期金利が上がって、ドル高・円安が進むと警戒している。ドル円レートは、2024年7月上旬につけた1ドル161円台にまで接近する可能性があるとみる。そこに至るまでに、おそらくは通貨当局による口先介入があって、一時的な膠着状態が起こるだろう。それでも、トランプ要因でのドル高圧力の方が大きな作用なので、円安への流れは止まらないとみる。
【NHK】アメリカ大統領選挙でトランプ前大統領の当選が確実になったと伝えられたことを受けて、外国為替市場では円相場が一時、1ドル=…
日本の通貨当局の場合でも、米ドル/円の5年MAかい離率が±2割以上に拡大すると、為替介入を行う確率がかなり高かった。これは、同かい離率が±2割以上に拡大した動きが「行き過ぎた相場」の目安になってきた可能性を感じさせる。以上を参考にすると、トランプ政権1期目には、行き過ぎた米ドル高・円安は起こらなかったため、それを阻止・是正するための具体策をとる必要がなかったということではないか。
【為替】トランプは円安是正に動くのか? | 吉田恒の為替デイリー
本レポートでは、最新のAI技術を活用し、トランプ政権下でのドル円相場の行方を分析する。具体的には、経済指標、金融政策、地政学的リスクなど、様々な要因を考慮しながら、複数のシナリオにもとづきドル円相場を予測する。そしてこの分析を通じて、今後の為替動向に対する新たな知見を得ることを試みる。
ドル円レートは1ドル154円台に乗せ、日経平均株価は一時1,100円を超える ..
トランプ氏の2025年から2029年の大統領任期におけるドル円相場の予測について、以下の分析フレームワークで検討を行う。本分析では、大規模言語モデル(LLM)を活用し、トランプ氏の過去の発言や政策、現在の経済状況、そして将来の不確実性を考慮した包括的な予測を試みる。
【尾河眞樹氏・トランプ2.0と2025年の為替相場】SFGI ..
まず、トランプ氏の経済政策に関する主要な発言を分析し、その政策方針を明確化する。次に、これらの政策が実行された場合の「想定内シナリオ」におけるドル円相場への影響を、金融政策、財政政策、通商政策の観点から分析する。続いて、予期せぬ事態が発生した場合の「想定外シナリオ」について、地政学的リスクや国際金融市場の急激な変動などを考慮した分析を行う。最後に、各シナリオの発生確率をAIモデルによって算出し、より現実的な予測の提示を目指す。なお、本分析ではLLMの特性を活かし、膨大な過去データと最新の市場動向を組み合わせることで、より精度の高い予測の実現を図っている。