[PDF] 慢性心不全治療薬としての SGLT-2 阻害薬について


初めてこの薬のエビデンスが出たのが「EMPA-REG OUTCOME試験;ジャディアンスという薬によるもの」でした。
それは心血管疾患の既往のある2型糖尿病患者さん約7000名を対象として行われ、たった2-3年の間に、特に心血管疾患による死亡が約4割も減少した、という驚くべきものでした。
とりわけ心不全による入院が35%低下し、この薬の利尿作用がどうやら他の利尿剤と異なって、塩分も少し尿中に余分に捨てる働きがあるにもかかわらず、塩分の再吸収を増やすシステムにスイッチをいれないからのようです。
次に「CANVAS-PROGRAM試験(カナグルという薬)」。
こちらの試験でも心血管疾患リスクの高い糖尿病患者さんが対象で似たようなエビデンスが示されました。さらに「DECLARE-TIMI試験(フォシーガという薬)」。
この試験でも対象は動脈硬化性心血管疾患リスクの高い患者さんで、やはり心血管死または心不全による入院を減少させました。
これらのエビデンスにより「心血管イベントを抑制する」という効果はSGLT2阻害剤が共通して持っている働きである可能性が強く示唆されました。
糖尿病患者さんが長生きできる時代がやってきて、加齢に伴う心不全が重要なテーマになってきている現在、かなり優先的に使用されるべき薬剤として、特に循環器の先生方のSGLT2阻害剤に対する注目度・期待度が高まっています。


慢性心不全では昨年11月、フォシーガがこのクラスの薬剤として初めて承認を取得し、ジャディアンスも適応拡大を申請。慢性腎臓病では、フォシーガが昨年12月に申請を済ませ、ジャディアンスも臨床第3相(P3)試験を行っています。カナグルは糖尿病性腎症を対象にP3試験を実施中です。

また、今年「CREDENCE試験(これもカナグルという薬)」という論文が発表されました。
これはSGLT2阻害剤の腎臓への保護作用についてエビデンスを出したものです。
この試験では、すでに腎機能がある程度低下した患者さんも含む対象で、SGLT2阻害剤を内服した群では腎不全や腎臓死などのイベントを、偽薬群に比べて30%減少させています。
ある程度腎臓を守る働きは予想されていましたが、それがはっきりと示されたのは今回が初めてです。
おそらく、この腎臓保護作用もSGLT2阻害剤が共通して有するものだろうと考えられます。
SGLT2阻害剤のデメリットも挙げておきましょう。
当初危惧された膀胱炎、尿路感染症は必ずしも増加しなかったものの、女性では性器感染症が増加しやすい、ということです。
それから、筋肉量の少ないやせた方には、たとえ心不全傾向でも使用しにくい、といったことでしょうか。

SGLT-2 阻害薬のフォシーガ錠が 2020 年に慢性心不全の効能が追加承認され、翌年にジ

フォシーガは、左室駆出率が低下した心不全(HErEF)の患者を対象に行ったP3試験「DAPA-HF試験」で、標準治療への上乗せで主要複合エンドポイント(心不全の悪化/心血管死)をプラセボに比べて26%低下。慢性腎臓病患者を対象とした同「DAPA-CKD」でも、主要複合エンドポイント(腎機能の悪化/心血管死または腎不全による死亡)を39%抑制しました。いずれも、2型糖尿病の有無に関わらず有効性が示されており、「心・腎保護薬」としての期待が高まっています。

国内の患者数は、慢性心不全が130万人、慢性腎臓病が1330万人と推定されています。両疾患への適応拡大によって、SGLT2阻害薬の市場も大きく拡大しそうです。

昨年、SGLT2阻害薬として初めて慢性心不全での承認を取得し、慢性腎臓病への適応拡大を申請した「フォシーガ」。同薬を開発したアストラゼネカの緒方史子氏(執行役員 循環器・腎・代謝/消化器事業本部長)と矢島利高氏(メディカル本部 循環器・腎・代謝/消化器疾患領域統括部 統括部長)に、その意義や心・腎領域の事業戦略について聞きました。

緒方:アンメットニーズのある領域に対し、既存薬とはまったく作用機序の異なる治療選択肢を提供できるという点で、大変意義のある適応拡大だと思っています。P3試験の結果を見ると、糖尿病の有無に関わらず、どの心不全治療薬と併用してもきちんと有効性を示していますので、多くの患者さんに使っていただける薬剤です。循環器の医師からの反響も大きく、「ぜひ使いたい」という言葉をたくさんいただいています。


[PDF] 心不全患者における SGLT2 阻害薬の安全性に関する調査 研究

前述したとおり、ジャディアンスは2型糖尿病・慢性心不全・慢性腎臓病の3つの疾患の患者さまが対象です。しかし、末期腎不全や透析を受けている方では、同薬による腎保護の作用が十分に得られない可能性があり、投薬対象とならない場合があります。

心不全にも使える糖尿病治療薬 ジャディアンスは2型糖尿病と慢性心不全 ..

ジャディアンスの投薬対象者は、主に2型糖尿病の患者さまであり、食事療法や運動療法だけでは血糖コントロールが不十分な場合に使用されます。さらに、慢性心不全や慢性腎臓病を持つ患者さまにおいても、その治療の一環として処方される場合があります。

慢性心不全、慢性腎臓病の3つの適応症を有するジャディアンスとは?

また、ジャディアンスは2型糖尿病に適応のある薬剤であり、1型糖尿病の方は使用できません。なお、慢性心不全や慢性腎臓病を有する1型糖尿病の患者さまが同薬を使用した場合、ケトアシドーシスの発生に注意が必要です。

心不全に対するSGLT2阻害薬の使い方についてまとめてみた 2023.12

ループ利尿薬との併用で使用されることが多いのですが、ループ利尿薬の量を減らして、その代わりにSGLT2阻害薬を投与されているケースが増えています。例えば、私の担当していた患者様で87歳男性、心不全の胸水貯留にてアゾセミド60mgにて治療中でしたが、入院中にエンパグリフロジン10mgを追加し、結果的にアゾセミド30mgへ減量することができた患者様もいらっしゃいます。

エンパグリフロジン(ジャディアンスR)は、心不全患者さんにおける心臓や血管に関連する病気による死亡や入院のリスクを20~30%減らします。

SGLT2阻害薬は、尿として水分とともに余分な糖も排出させて血糖値を下げることができるので、糖尿病の薬として使われています。
このSGLT2阻害薬は、余分な水分を尿として排出するだけでなく、心臓や腎臓にも良い働きをして心不全の予後も改善するので、心不全でも使用されるようになりました。
SGLT2 阻害薬を血糖値が高くない人が服用しても過剰に血糖値を下げることはないので、血糖値が高くない心不全の人が使用しても低血糖になる心配はありません。
発熱や下痢などで、食事ができないときには休薬が必要です。

ジャディアンス®錠10mg・25mg; SGLT2阻害薬による心不全治療における患者 ..

現在、心不全の治療薬として承認されているSGLT2阻害薬はエンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス®)とダパグリフロジン(商品名:フォシーガ®)の2種類です。当院でも心不全に対し、SGLT2阻害薬を投与している患者様が増えています。

[PDF] SGLT2阻害薬が心不全での適応追加になりました! 薬剤師大谷

前述のようにジャディアンスは2024年2月9日付で、日本ベーリンガーインゲルハイム社が慢性腎臓病に係る医薬品製造販売承認事項の一部変更・承認を厚生労働省より取得したため、慢性腎臓病の患者さまにも使用可能となりました。

CKD患者は心不全を合併していることも少なくなく,Sglt2阻害薬は心不

さらに、ジャディアンスには利尿作用もあることから体の不要な水分を排出し、血圧を低下させる効果も期待されています。この点から、慢性心不全の患者さまにおいても使用される場合がある薬です。実際、糖尿病を有しているか否かに関わらず、心不全患者さまにジャディアスを投与することで、心臓病による死亡率や心不全による入院リスクを低下させることが報告されています。

[PDF] ジャディアンス錠 10mg 適正使用のお願い (慢性心不全※)

被験者は、エンパグリフロジン10mg投与群、もしくはプラセボ投与群にランダムに振り分けられ、腎臓病の進行〔末期腎不全,推算糸球体濾過量(estimated glomerular filtration rate:eGFR)の10mL/分/1.73m2未満への持続低下、eGFRの40%以上の持続低下、腎死亡〕および、心臓病による死亡が比較されました

心不全にエンパグリフロジン(ジャディアンスR)は効果がありますか? 薬 : ダパグリフロジン(フォシーガR)について

2015年に発表されたEMPA-REG OUTCOME試験では、心筋梗塞や脳卒中の既往のある2型糖尿病患者に対して、既存の治療薬にSGLT2阻害薬であるエンパグリフロジンを併用することにより総死亡を32%、心血管疾患による死亡を38%、および心不全による入院を35%、低下させることができたという報告でした。これらのリスク低減効果は種類により差はありますが、他のSGLT2阻害薬でも認められています。

糖尿病・慢性心不全治療薬 エンパグリフロジン(ジャディアンス)

本研究の結果により、ジャディアンスは2型糖尿病や慢性心不全だけでなく、慢性腎臓病の治療においても新たな治療選択肢としての位置づけを確立しました。

糖尿病・慢性心不全治療薬 エンパグリフロジン(ジャディアンス) ..

ジャディアンスは、SGLT2(ナトリウム-グルコース共輸送体2)阻害薬です。糖尿病治療薬として開発された同薬ですが、2021年に慢性心不全に対する効能・効果の追加承認を取得しています。さらに、冒頭でもご紹介したように、2024年2月9日付で慢性腎臓病に対する効能・効果の追加承認を取得しました。

東邦大学医療センター大橋病院 循環器内科では、糖尿病や心不全のために SGLT2 阻害薬

β遮断薬は心臓の交感神経を抑え、心臓への過剰な刺激を抑制します。心臓を休めて負荷を軽減し、心機能の維持・改善に働きます。「目に見えない治療」の代表です。心不全治療のキードラッグと言ってもいいですが、容量を増やしすぎると心拍出量が下がって低拍出症候群という非常に危険な状態となるため、患者さまに適した容量を見極めがとても重要です。代表的な薬剤としてカルベジロール、ビソプロロールがあります。